2015年4月10日金曜日

尺八といえば…あの曲?

    一口に尺八の音楽と言っても演奏されるジャンルは様々です。虚無僧が吹いていた『本曲』と呼ばれる古典、箏・三絃(三味線)と合奏する『三曲』、民謡、詩吟、現代的音楽、ジャズ、ポップス…などなど。
    そんな中で、おそらく一番多くの人に知られている曲は箏と尺八の二重奏『春の海』ではないでしょうか。タイトルを聞いて分からない人も、出だしの箏のフレーズを聴くだけで「ああ!お正月によく聞く曲!」と分かってもらえると思います。
   作曲者は宮城道雄。お箏の名手であり、また作曲でも現代に残る名曲を多く残しました。昭和5年の勅題(歌会始のお題)『海辺の巌』に因んで、その前年昭和4年に作曲されました。宮城道雄が実際に旅した広島県の鞆の浦の印象をもとに、春の長閑な内海の雰囲気、波が岩に砕ける様などが表現されています。
   お正月になるといたる所で流れている『春の海』ですが、尺八の人間国宝である青木鈴慕先生の録音が使われている事が多く尺八吹きとしてはつい聴き入ってしまいます。



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