2015年4月6日月曜日

首振り三年…

  『尺八は難しい?』という記事にも出てきた「首振り三年」という言葉。これは尺八の“ユリ”という奏法の事をさしていると思われます。“ユリ”というのは尺八に特有のビブラート的な奏法で、首(頭?)を左右、上下、あるいは回すように振る事によって音の高さに変化を付けます。実際には首を振ることで、歌口(尺八の息の入り口)の唇によって塞がれている面積が変化します。尺八の歌口は意外と大きくて直径約2センチ程あります。吹奏時にはこの歌口を唇で3分の2程は塞いでいるイメージです。“ユリ”ではこの唇で塞がれている面積が変化します。より多く塞ぐと音は低く、より少なく塞ぐと音は高くなります。ビブラートという言葉ではわりと狭い幅の音の揺れをイメージしますが、尺八の“ユリ”ではかなり大きな幅で音の高さに変化を付けることが可能です。
  尺八吹きとしては「首振り」という言葉は実感としてしっくりきません。あくまで、首を振ってるよね…という周りからの視点ですね。またユリは奥の深い奏法ではありますが、「3年」は大げさじゃないかな?というのが大方の尺八奏者の意見ではないかと思います。
   さて、『首振り三年』。この言葉には続きがあるのはご存知ですか?
  次回に続きます。

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