2015年5月31日日曜日

漆は偉大。

   現在の尺八の多くは竹の内側に漆を塗って加工されています。漆は植物のウルシの樹液です。ご存知の方も多いと思いますが厄介なこと漆は被れを引き起こすことがあります。体質的に弱い人はウルシが生えている近くを通ったり、漆を用いて加工している場所に入るだけで被れてしまうそうです。

   かく言う自分も漆に弱い体質で、出来て間もない尺八を吹くと歌口の跡が口元に赤く残ってしまいます。こうなると痛くて痒くて尺八の演奏にも支障が出てしまいます。

   尺八を作る職人さんの間では漆への耐性を付けるためにウルシを舐めながら作業をする(!)なんて話を聞いたこともあります。

   漆は湿度が高くなると乾燥するという性質を持っています。この事から尺八のように息を吹き込む楽器を丈夫に保つ為に無くてはならない素材です。また漆器は日本を代表する工芸品で、夏場には湿度の高くなる日本にとっては音楽だけで無く工芸の分野でも無くてはならない存在です。

  体質によっては厄介な存在ですが、漆は日本の文化の影の立役者と言えると思います。
   

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